ブログ名を商標登録するための基礎知識 ~その3~

前回は、ブログ名は商標権で保護すべきと述べましたが、今回は、商標制度についてもう少し詳しくご説明したいと思います。

”商標”と”商品・サービス”はセット

前回の繰り返しになりますが、商標とは「誰の商品やサービスかを区別・識別するための目印」のことです。

例えば、「ボトル入りコーヒー」だと「GEORGIA」、「BOSS」、「TULLY’S COFFEE」、「UCC」などのブランドがあり、それぞれ順に、コカ・コーラ、サントリー、伊藤園、UCC上島珈琲が販売しています。これらのコーヒーのブランド名こそが、“商標”なのです。

ボトル入りコーヒーのブランド

ボトル入りコーヒーのブランド


それでは、このようなコーヒーのブランドが存在している状況で、まったく別の洋服の分野で「BOSS」というブランドが存在するとしたら、どうでしょうか。

通常は、同じサントリーが作っているとは考えないと思います。

このように、商標は、商品やサービスの分野ごとに、異なる企業のブランドとして認識されるため、商品やサービスの分野が明確に異なれば実際上問題になることは少ないし、法律的にも基本的には権利の抵触関係はないことになっています。

そのため、商標によるブランドの保護を検討する上では、商標とそれが使われている商品やサービスとをセットで考える必要があります。商標の権利を取得する際にも、商標だけを決めるのではなく、それを使う商品やサービスを特定しなければ権利を取ることができません。

商標権の範囲

”商標”と”商品・サービス”がセットであることは商標権の権利が及ぶ範囲にも影響します。

商標権は、言葉をすべからく独占するための権利ではなく、決められた商品やサービスの範囲で「誰の商品やサービスかを区別・識別するための目印」として、その登録した文字や図形等の使用を独占できる権利です。

したがって、登録をした商品やサービスの類似範囲外のものに商標を使用する行為に商標権は及びません。

例を挙げると、ビールの商標「ASAHI」(アサヒビールの権利)は、自転車小売業の商標「ASAHI」(サイクルベースあさひの権利)には及びません。

まれに、言葉が独占されてしまうかのような報道や見解を見聞きしますが、それは正しくないのです。

アサヒビールとサイクルベースあさひ

商品・サービスが異なるために商標権が及ばない例

また、「誰の商品やサービスかを区別・識別するための目印」として使われていない場合にも商標権は及びません。

例えば、インクジェットプリンターの互換インクを販売する際に「エプソン用」と表記する行為は、用途を示すだけなので、エプソンが保有している商標「エプソン」を侵害しません。

用途表示として商標権が及ばない例

用途表示として商標権が及ばない例

ついでに言うと、商標は「商品やサービス」の目印なので、基本的に商売をしている人や企業が使うものです。商標登録された言葉について、一般の人による使用が禁止されることは通常はありません。

そのため、商標権の効力は、一般的にテレビなどで報じられているよりも狭いと感じられるかもしれません。

ブログ名は商標権で保護すべし

このように商標は、商標と商品・サービスとをセットで考えなければならなかったり、それゆえに権利の範囲に限界(制約)があることは事実です。

しかし、ブログとして提供する商品・サービスをしっかり特定して、ブログ名を商標登録すれば、十分にブログ名のパクリ(模倣)を防止・排除できる権利になるのです。

ブログ名の商標登録はまだ一般的とは言えませんが、ブログが事業として運営されて、全国的な知名度のあるブログが出現している状況のため、ブログ名を商標権で保護する意味(価値)は十分にあります。私個人としては、今後はブログ名の商標登録が一般化していくのではないかと思っています。

そんなわけで、次回は商標登録をする手続き(=商標出願)に必要な情報について触れたいと思います。

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