J-PlatPatを使った商標検索入門 ~商品・役務名検索~
独立行政法人工業所有権情報・研修館(通称「INPIT」)が運営している「J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)」は、誰でも無料で特許・実用新案登録・意匠登録・商標登録が検索できるウェブサイトです。
このブログでは、複数回にわたって、J-PlatPatを使った商標検索をシリーズでご紹介しています。
そして今回が最終回です!
【シリーズの各内容】
第1回:全体・番号照会編
第2回:商標の構成や称呼での検索
第3回:図形コードでの検索
第4回:検索する商品役務の範囲指定
第5回:出願人情報での検索
第6回:商標検索の検索オプション
第7回:周知・著名商標検索
第8回:不登録標章検索
第9回:図形等分類表
第10回:商品・役務名検索(本記事)
商品・役務名検索の利用場面
以下のリンクをクリックするとJ-PlatPatの図形等分類表にアクセスできます。
商品・役務名検索は、商品・役務の類似群をチェックしたり、商標出願の際の適切な指定商品・役務の表示方法を検索するためのツールです。
先行商標を調査するときは、使用対象の商品・役務の範囲を特定して、その商品・役務と同一・類似の商品・役務を指定している先行商標を調査をした方が効率が良いです。
「商品・役務名検索」では、 そのような同一・類似の商品・役務の範囲を定めている類似群コード(特許庁の審査で類似すると推定される範囲を定めたグループ)を特定することができます。
また、商標出願する際には、指定商品・指定役務を明確に記載する必要があり、審査官が、指定商品・指定役務が明確ではないと判断した場合には、拒絶理由が通知されます。
ただ、この「商品・役務名検索」でヒットする表示([不可]の表示を除く)を使えば、明確な指定商品・指定役務であると判断されるので、拒絶理由を回避することができます。
このように、「商品・役務名検索」は、調査や出願時の商品・役務に関する補助ツールとして使用されます。
商品・役務名検索の入力項目
商品・役務名検索は、複数の項目を組み合わせて使って商品・役務名を検索します。
国際分類版(期間)
ここの項目はあまりいじることはなく、最新の版で検索するのが普通です。
データ種別
一般的には全チェックで検索します。
ただ、ファストトラック審査の対象の商品・役務のみを検索する場合には、[基]と[N]のみにチェックを付けて検索します。
また[審](審査採用された商品・役務名)については、ヒット件数が多くなるので、少ない件数で見たい場合には、[審]を外して検索することもあります。
使用する言語
通常は[日本語]を使います。
外国から日本に入ってくる出願で英語の商品・役務を日本語にする際には、ここのチェックを[英語]に変更して、英語でキーワード検索します。
検索キーワード・除外キーワード
「商品・役務名検索」のメインは、ここの[検索キーワード]です。
検索する商品・役務名をキーワード欄にいれて検索します(それだけです)。
Tips
表記揺れ
例えば、「ソフトウェア」と「ソフトウエア」(ェとエの違い)とではヒット件数は異なるのでしょうか?
答えは、”ヒット件数は同じ”です。
J-PlatPatの仕様上、小さい仮名(捨て仮名)と通常の仮名の表記揺れは吸収されて検索されます。
でも、「パエリア」と「パエリヤ」のように、文字が異なる場合は、異なる検索結果になります。
そのため、小さい仮名については表記揺れは気にしなくていいものの、文字が異なる場合は、どちらも記載して検索する必要があります。
同じ表示でも英訳が異なることも
例えば、「ストップウォッチ」を検索すると以下のように、日本語表記が同一でも、英訳が異なるものが多数ヒットします。
外国への商標出願の際には、その外国での採用状況などを確認しつつ、どの英訳を使うかを検討するのがよいでしょう。
動画のご紹介
本記事の内容について、実際に操作をしながら解説したYoutube動画を公開しています。
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