J-PlatPatを使った商標検索入門 ~検索する商品役務の範囲指定~

独立行政法人工業所有権情報・研修館(通称「INPIT」)が運営しているJ-PlatPat(特許情報プラットフォーム)は、誰でも無料で特許・実用新案登録・意匠登録・商標登録が検索できるウェブサイトです。

このブログでは、複数回にわたって、J-PlatPatを使った商標検索をシリーズでご紹介しています。

【シリーズの各内容】
第1回:全体・番号照会編
第2回:商標の構成や称呼での検索
第3回:図形コードでの検索
第4回:検索する商品役務の範囲指定(本記事)
第5回:出願人情報での検索

J-PlatPatの商標検索でできること

J-PlatPatの商標検索でできることは次のとおりです。

  • 商標番号照会
  • 商標検索
  • 日本国周知・著名商標検索
  • 不登録標章検索
  • 図形等分類表
  • 商品・役務名検索

 

前回は、「商標検索」のうち、図形コードを使って検索する方法を説明しました。

前回までで、「商標検索」のうち、項目[商標(マーク)]についての説明が終わりました。

今回は「商標検索」のうち、項目[商品・役務]を使って、検索対象となる商品・役務を限定して検索する方法を紹介します。

項目[商標(マーク)]と[商品・役務]との関係

以下のリンクをクリックするとJ-PlatPatの商標検索にアクセスできます。

 

まず、これまでに説明してきた項目[商標(マーク)]と項目[商品・役務]との関係がどうなっているのかというと、

これらの項目間では、AND検索となります。

つまり、[商標(マーク)]に入力した内容での検索を、項目[商品・役務]で絞り込むことができます。

 

商標の権利範囲は、商品やサービスとの関係で決まってくるので、検索をする場合も、商品・役務の範囲を指定することは、検索の効率を上げるポイントになってきます。

上の例では、同じ「ASAHI」の文字から構成される商標でも、分野(商品・役務の類似範囲)の違いによって商標権を保有している企業が異なることを示しています。

[類似群コード]と[区分]

項目[商品・役務]に入力できる検索項目は、[類似群コード]と[区分]です。
※デフォルトでは、[類似群コード]が表示されています。

類似群コード

類似群コードとは、商品・役務の類似範囲をグループ化したコードのことで、類似群コードが同一の商品・役務は互いに類似すると推定されます。

この類似関係は、特許庁が発行している類似商品・役務審査基準に掲載されています。

以下は、第33類に関する類似商品・役務審査基準の抜粋です。

この区分(第33類)にはお酒関係の商品が掲載されていますが、「28A01」と記載された四角の枠で囲われた範囲に含まれる商品が類似関係にあると推定されます。

そのため、例として「清酒」と「焼酎」は類似する商品と推定して審査がされます。

一方で、類似群コード「28A02」が付与された「洋酒」は、「清酒」とは類似しないものとして審査されます。

なお、個々の商品の類似群コードは、J-PlatPatの「商品・役務名検索」でも検索することができます。
※「商品・役務名検索」の使い方は別の回で取り上げます。

区分

区分とは、指定商品・役務を分野別に分けた分類です。

第1類から第45類まであり、商標出願の際には、指定する商品・役務が属する区分を調べて指定する必要があります。

注意としては、この区分は、商品・役務の類似範囲を定めるものではない点です。

上述のように、商品・役務の類似範囲は、審査では類似群コードを基準に判断されます。

なお、区分は、実務的には特許庁の印紙代の計算上重要で、区分の数によって特許庁に支払う費用が異なってきます。

検索の実演

では、実際に検索してみましょう。

類似群コードでの検索

[商品・役務]のキーワードのところに類似群コードを入力します。

例えば、商品「衛生マスク」と類似する商品を指定している商標を検索する場合は、衛生マスクは類似群コード”01C01”が付与されているので、この類似群を[商品・役務]のキーワードに入力します。

なお、類似群コードのみでの検索も可能ですが、J-PlatPatのシステム上、表示できるのはヒット件数が3000件以下の場合に限られるので、このままでは検索結果が見えません。

そのため、実際の検索の場面では、項目[商標(マーク)]の入力と掛け合わせて使うのが現実的です。

例えば、[商標(検索用)]の欄に「?マスク」と入力すれば、衛生マスクの分野で、語尾に「マスク」の文字がある商標を検索することができます。

区分での検索

次に、区分での検索です。

まず、検索項目を[区分]に変更します。

そのうえで、キーワードの欄に1~45のいずれかの数字を入力すれば大丈夫です。

また、入力補助のボタンを使えば「商品全類」・「役務(35類)」・「役務全類(35類を除く)」の三つのパターンで数字の自動入力を選択することができます。

では、ここでは、先ほどの続きで、商標(検索用)の欄に「?マスク」と入力した状態で、第10類の商標を検索してみます。

  

検索ボタンを押すと、どうでしょう。

あれ??

第10類以外がいっぱいヒットしています。

実は、区分を指定して検索すると、その裏でJ-PlatPatは入力された区分に含まれる類似群コードすべてを検索して、結果に表示しているのです。

そのため、第10類ではない商標もヒットします。

なぜそのようなことをするかというと、J-PlatPatでは次のように説明されています。

指定商品・役務の類似関係は、同一区分内に限定されているわけではなく、異なる区分においても類似関係の指定商品・役務が存在していますので、区分を指定した場合は、入力された区分に対応する類似群コードにより検索を行っています。

J-PlatPat 「FAQ(よくある質問と回答)」より https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c0500

前述のとおり、区分は、商品・役務の類似範囲を定めるものではありません。

そして、異なる区分に同じ類似群コードが付与された商品・役務が存在することがあります

また、時代によって、特定の商品の区分が変更されることがあります。

例えば、「衛生マスク」は、2022年以前は、第5類の商品として扱われていましたが、2022年からは第10類に変更されています。

そのため、区分を指定して検索した場合には、自分が検索したい区分以外の商標についてもきっちりと中身をチェックしないといけません。

[類似群コード]と[区分]の使い分け

では、[類似群コード]と[区分]のどちらを使って検索をすれば良いのでしょうか?

 

私の場合は、類似群コードで検索することを基本にしています。

それは、私が実行する商標検索の場面では、商品・役務の範囲が明らかになっていることが多く、類似群コードで検索することで的確な調査ができるからです。

一方、ざっくりと興味ありそうな区分での登録状況を見たい場合には、区分で検索することもあります。

検索する対象や商品・役務の内容によって、使い分けを検討すればよいでしょう。

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