Impact of Brexit(EU離脱)~再延期~

United Kingdom

2019122日の本ブログにて、2019年3月29日の”no deal Brexit”(合意なき離脱)の可能性が現実味を帯びてきたことをお伝えしました。

しかし、実際には、3月29日に離脱は実現せず、4月12日までの短期間の延期を経て、2019年10月31日まで離脱の延期が決まりました(2019年4月15日の本ブログをご参照ください)

そしてさらに、2019年10月29日、離脱の期限が、最長2020年1月31日まで延期されることになりました。

同時に、イギリスでは、12月12日に総選挙が実施されることも決まり、次こそは最後・・・だと信じたいところです。

欧州連合商標(EUTM)や登録共同体意匠(RCD)に関して起こりうるシナリオは、次のとおりです。

Brexit時点で登録済みのEUTM・RCD

Brexitの時点で権利として登録されているEUTMやRCDは、Brexitのタイミングでイギリス国内法における同等な権利として、引き続き保護されます。

そのため、権利の空白期間が生じることはありません。

つまり、EUTMの対象となっていた商標やRCDの対象となっていた意匠は、それぞれイギリス国内における商標権・意匠権として保護され、EUTMやRCDとは独立して、権利の更新や譲渡、ライセンスが可能となります。

イギリス知的財産庁は、権利者に対して、新しいイギリス国内法下の権利が許可されたことを、ウェブサイト上のガイダンス等により知らせるとのことです。

Brexit時点で出願中のEUTM・RCD

Brexitの時点で出願中のEUTMやRCDは、自動的には、イギリスにおける出願にはなりません。

EUTMやRCDの出願人が、出願中のEUTMの対象となっていた商標やRCDの対象となっていた意匠について、イギリス国内での保護を求めたい場合、イギリス国内法に基づく再出願が必要になります。

この再出願を、Brexitから9ヶ月以内に行うことで、EUTMやRCDの出願日(優先日)の利益を受けることができます。

再出願に際しては、イギリス国内法において要求される出願費用を支払う必要があります。

なお、イギリス知的財産庁から、EUTMやRCDの出願人に対して、再出願の必要性を促す通知はなされない見込みです。

そのため、出願人自身で、Brexit時点で登録となっていない出願をチェックし、必要に応じて、イギリスでの再出願を進めなければなりません。

さいごに

もはや、いつになったら離脱するのか、という気もしますが、一応、いつ離脱になるのかは気にしておかなければいけません。

今回は、最長で2020年1月31日の離脱ということですが、EUとイギリスの合意内容によっては、それよりも前に離脱が実現する可能性もあります。

権利取得をしたい商標や意匠について、イギリスが権利確保の重要国であるなら、EUTMやRCDによらずに、イギリスは単独で出願してもいいかもしれません。

離脱のタイミングによる再出願に左右されずに済みます。

とはいえ、引き続き、出願中のEUTMやRCDを保有している企業や個人においては、Brexitのタイミングと自身のEUTMやRCDのステータスに注視する必要があります。

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