新元号の商標登録は可能か
新年あけましておめでとうございます。
ここのところ、毎週火曜日にブログの更新をしていたのですが、2019年最初の火曜日は、元日ではありませんか。縁起がいいので、そのまま普通に更新することにしました。
新元号の公表
さて、ご存知のとおり、2019年は平成最後の年ですが、年の途中、2019年5月1日には新しい元号での時代がスタートします。
その新元号は2019年4月1日に公表される見込みです。
新元号の公表を機に新元号について商標権を取得しようとする人がたくさん出てくることが予想されます。
新元号は商標登録できるの?
しかし、新元号のそのまま商標出願しても、特許庁の審査で拒絶されます。
それは、元号は、一般に、 会社の創立時期、商品の製造時期、その他の日付・期間等を表示するものとして使用されるため、他人の商品やサービスと、自社の商品やサービスとを識別するための目印として機能しないと判断されるためです。
なお、株式会社明治の”明治”(商品:乳製品、菓子など)や昭和産業株式会社の”昭和”(商品:天ぷら油、小麦粉など)のように登録が認められる例外はあります。
ただし、これらは、過去の審査基準や長年の使用によって有名になったことなどが影響しており、例外的であると考えるべきです。
元号の商標出願のビジネスリスク
また、元号という、日本国民共有の財産ともいうべき時代の表し方を、 一個人又は一企業が商標権として独占しようとすると、国民一般の感情と逆行し、”炎上”してしまう可能性もあります。
たとえば、最近の記憶にあるところでは、 平昌オリンピックで活躍したカーリング女子チーム「LS北見」が試合中に交わした「そだねー」の掛け声を商標出願した企業が”話題”になったことがあります。
つまり、新元号が公表された後、その元号を商標権として独占しようと思っても商標権を得られないばかりか、ビジネス上、マイナスの影響が発生することも考えられます。
おわりに
このように、新元号を表しただけの商標出願は、審査で拒絶されます。
また、新元号に関する商標出願の事実が報道されることで、ビジネス上マイナスの影響が発生する可能性もあります。
そのため、単に新元号を表しただけの商標出願を安易に行うことはやめておいたほうが良いと思います。
それでは、本年もどうぞよろしくお願いいたします!