アメリカの商標登録から探るコーラのブランド ~ペプシの場合~
さて、前回は、「アメリカの商標登録から探る「Coca-Cola」ロゴのすごさ」と題して、Coca-Colaのロゴのすごさをお伝えしましたが、今回は、競合のペプシはどうなの?という声を聞いたので、少し調べてみました。
ペプシコーラの最初の商標
ペプシコーラは頻繁にロゴを変えているイメージがあるのですが、実際のところどうなんでしょうか。
USPTOの商標検索ページで調べてみたところ、以下の登録が最古のようです(現在では権利失効)。
今日のPepsiの態様とは大きく異なります。
最初の使用が1901年8月1日として登録されていました。
その後の「Pepsi」の商標登録の変遷を一部抜粋すると↓のような感じです。
2番のロゴは、実は今もペプシコーラのボトルの裏側に表示されていたりします。
ただ、全体的な印象としては、コロコロ変えてるなぁという気がします。
私にとってペプシコーラは、↓のロゴが最初の出会いかなと思います(おそらく小学生の頃)。
ケンタッキーのドリンクの側面にこのロゴが印刷されていて、「PEPSI」の味を知らない私は、『あの、赤と水色のマークがついた飲み物の味を知りたい』と思って飲んだら、「あ、コーラか」って思った記憶があります。
このロゴのペプシを飲んでいた人は、ひょっとすると、その当時の思い出と一緒にこのロゴマークを覚えているかもしれません。
そして、懐かしいなという感慨にふけったり。
でも、このロゴが使用されていたことを知らない世代も現にいるわけで、そういう人とっては、このロゴを「なんかレトロやな」と思ったりするかもしれません。
こういう感覚は、使用される商標が変わったからこそ感じるのだと思います。
そのため、時代や地域で使用するロゴの態様が異なると、認識されるイメージも異なってきます。
そういう違いをあえて作っていくのもマーケティング戦略としてはありかもしれません。
ペプシのロゴの変遷は、コカ・コーラ社との考えの違いが表れているとも言えるでしょう。
ペプシのロゴマークの興味深いところ
ちなみに、ペプシのロゴマークの変遷で面白いと思ったのは、最初は文字の「Pepsi Cola」だったのが、次に「PEPSI」と図形要素(円図形)とが一体的になった態様になり、さらに今日では「pepsi」の文字と図形要素とが離れて表示される態様になっていることです。
その結果、ペプシは、「pepsi」の文字だけでなく、図形要素(丸い赤・白・青の色分け図形)でも、ペプシコーラを他のコーラと識別できるようになっていると思います。
コカ・コーラ社が、図形単独をブランドを示す商標に採用していないのと対照的です。
さいごに
コカ・コーラは、全世界・全世代を対象に「Coca-Cola」で統一して展開していますが、ペプシコーラはそうではないようです。
JAPAN COLAなんて地域性まで出しています。
ペプシコーラは、コカ・コーラとは対照的に、新しいロゴマークや取り組みを絶えず提供することでフレッシュなイメージを保ち続けています。
そういうブランディングもありですね。
コカ・コーラとペプシコーラのどちらのブランドが優れているかということではなく、企業の理念や文化によって、消費者へのブランドの伝え方が違ってくるということです。
同じコーラを提供する企業でもブランディングの方向が異なる面白い事例と言えます。
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