一人事務所の業務効率化ツール(ソフト)紹介 + 自作ツールの配布企画

今年も残すところあと1週間♪

今日は、パテントサロン管理人の大坪和久様の企画で行われている「知財系 Advent Calendar 2021」の一環として投稿します。

Advent Calendar とは,
「本来、12月1日から24日までクリスマスを待つまでに1日に1つ、
穴が空けられるようになっているカレンダーです。
WebでのAdvent Calendarは、その風習に習い、
12月1日から25日まで1日に1つ、みんなで記事を投稿していくというイベントです」

Adventar: https://adventar.org/help より

今年は、12月24日のクリスマスイブの枠をいただきました!

今回は、私が仕事で使っている業務効率化のためのソフトやサービスをご紹介します。

 

独立開業して、4年目。今のところ一人で仕事をしています。

主に商標の調査や出願、中間対応などがメインの仕事です。

ただ、一人で仕事をしているので、請求書の発行や取引先への振り込み、書類の発送など、すべて自分でやらなければいけません。

そのため、売上につながるメインの仕事にどれだけ時間を注ぎ込めるかが、事務所運営において極めて重要になります。

私の業務効率化ツールの変遷

まずは、私が効率化の観点について、どのように仕事をしてきたのか振り返ってみたいと思います。

効率化が何なのか知らなかった勤務時代

いわゆる勤務弁理士時代は、今考えると、仕事の効率化が何なのかわかっていませんでした

その必要性すら知らなかったのだと思います。

ただ、勤務弁理士時代は、請求書の発行や書類発送などは事務担当の方たちがやってくれていたので、効率化を求めなくても、仕事に集中できていました。

そのため、そこまで効率化の点について深く考えることはなかったのかもしれません。

 

しかし、今考えると、書類を作るにしても、

毎回毎回、「過去の書類からフォーマットを探す」→「必要箇所を書き換える」

ということをやっていたので、チェックの負担はずっとのしかかっていたわけです。

誤字脱字があっても、後のチェックで発見しなければ、そのままその文書が外部(特許庁・クライアント)に出ていくわけです。

また、紙のファイルを探したり、名刺を探すのに時間が掛かったりして、無駄な時間を使うこともしばしばあったように思います。

転機

転機となったのは、所属事務所の管理ソフトの入れ替えプロジェクトを担当したことです。

使っていた管理ソフトを別のものに代えて効率化しよう、という一大プロジェクトです。

お金もかかるし、事務担当の人たちにとっても、慣れるまで大変な時間と労力が必要なものです。

私は、そのプロジェクトリーダーとして関与しました。

その時に気づいたのが、事務所内では重複した入力がかなりの量で存在するという事実でした。

例えば、事務担当のAさんが管理ソフトに入力した期限情報と同じ期限情報を、別のところで弁理士Bさんが期限管理一覧表に手入力している、というようなことです。

他にも、私が出願書類を作成する場合、管理ソフトにクライアント名や住所・識別番号情報が登録されているとしても、願書に手入力又は、管理ソフト上の情報をコピペして作成することがほとんどでした。

そのため、二重三重の書類チェックが必須な状況だったのです。

この点、管理ソフトから直接、一覧表や書類フォーマットを出力できれば、期限や書誌的事項について、管理ソフトに登録されている情報が確実に出力されます。

手入力を減らせば、効率化になるし、正確性も増してチェック負担も減るんだ、と気づいたのはこの時でした。

そして、手入力の削減とともに、取り組んだのが、エクセルマクロによる処理です。

管理ソフトで対応できない部分や、頻繁に繰り返し行う作業について、手作業でやっていたものをマクロで処理できるように対応しました。

といっても、プログラムを書くのはこの時が初めてで、管理ソフトの入れ替えプロジェクトを成功させるために必死で覚えました。

業務効率化ツール(ソフト)紹介

上記のような経験から、独立してからは、「探す」労力や「手入力」を避けることを基本に、体制を整えています。

以下が、今使っているソフトやサービスです。

【Evernote】

Evernoteは、独立前から個人的に使用していたのですが、とにかくスキャンしてぶち込む

という利用方法をしています。

タイトルやタグ付けは行いますが、他は何もしません。

ひたすら蓄積させています。

主に以下の情報を蓄積させています。

  • 名刺データ
  • セミナー・研修資料

スキャンして入れておけば、PDF文書内もOCRで検索可能なので、欲しい情報は大体探し出せます。

名刺については別のSaaSサービスを導入したほうが良いと思ってきていますが、まだ検討中です。

【root ip】

root ip は、弁理士向けの案件管理・業務管理ソフトです(企業向けもあります)。

独立開業後に、SaaSサービスとして利用できる管理ソフトを探していたところ、運よく巡り合いました。

特許庁データの取り込みは勿論できますし、Wordでカスタマイズした報告書や願書フォーマットの発行が可能なので、書誌的事項の入力ミスがほぼなくなります。

案件管理以外にも、請求書発行・請求書ごとの入金管理もこれでやっています。

私の仕事は「root ip」なくしては一人では無理です。

【UiPath】

言わずと知れたRPAソフトです。

次のような処理に使用しています。

  • 請求書データの経理ソフトへの入力
  • 為替レートの取得と管理ソフトへの登録
  • 出願ソフトから管理ソフトへの特許庁データの取り込み
  • 管理ソフトへの登録番号・登録日の入力
  • 公報の取得と管理ソフトへの登録
  • J-PlatPatでの類似群コードの取得
  • 調査報告書への先行商標情報の入力

など・・・

RPAは、異なるソフトやSaasサービス間でのデータの受け渡しが容易にできるので、その利点を活かした使い方をしています。

ただし、ウェブサービスとの連携では、ウェブサイトの構成が変更されると使えなくなるので、メンテナンスが大変になる可能性があります。

この点は要注意です。

【Excelマクロ・Wordマクロ】

マクロでの処理は確実で早いので、どんどん導入したいのですが、最近はUiPathが気楽すぎて、マクロはあまり新しいのは作っていません。

それでも、以下のような処理に使用しています。

  • 商品役務の抵触範囲のチェック
  • 請求書データの経理ソフト用取り込みデータへの変換
  • 出願書類のHTML形式への変換
  • PDFデータの作成
  • 頻繁に使用する文字列置換

中でも「商品役務の抵触範囲のチェック」ツールは、実務上重宝しています。

 

今後の展望

今後は、事務所の所属人数が増えた場合の対応を考えないといけないと思っています。

特に属人的に運用しているUiPathは、問題になりそうなので、自動化した処理のマニュアル化が必要だと思っています(本来はマニュアル化してから自動化するんでしょうけど・・・)。

また、一人事務所向けのツールを他の事務所に提供したり、管理ソフトの導入支援などを通じた効率化のお手伝いができればなぁと思っております。

「類似商品・役務審査基準」コンパクト版の配布企画

これは、私が毎年恒例で作成している”ツール”と言っていいのかもしれません。

 

商標の審査で、商品役務の類否判断をするための「類似商品・役務審査基準」は毎年改訂されます。

2022年版も先日発表されました(↓)。

 

だがしかし、ページ数が多くて取扱いに困ります。

例えば、第1類の商品は、全部で33ページにも及びます!

ページめくるだけでしんどいです。

また、電子データとしてPDFで閲覧する場合には、どこまでスクロールしたら次の区分になるのか、ほんとに気が遠くなります。

そこで、私は、毎年、特許庁が配布しているエクセルデータを加工して、包括概念表示と見出しの商品・役務(いわゆる短冊の範囲)のみを表示するコンパクト版を作っています。

こういうツールを自作するのも、業務効率に直結すると思っています。

今年も、2022年1月1日から適用される「類似商品・役務審査基準」のコンパクト版を作成しました。

コンパクト版での改良点は次のとおりです。

  1. 下位概念の商品役務は左の「+」ボタンで展開可能
  2. 類似群を半角に変更
  3. 備考類似の類似群を本来の類似群の横に斜体で記載
  4. 包括概念表示に含まれる短冊の範囲を色でわかるようにした
  5. 各区分へのジャンプボタンの設置
  6. 区分内の見出しの商品・役務(短冊)全部を冒頭に列挙

 

以下のリンクからダウンロードできます!

※細心の注意を払って作成しておりますが、万一、情報の漏れやエラーなどが発生する場合にはお知らせいただければ幸いです。

↓のボタンを押せばダウンロードできます。

“類似商品・役務審査基準 2022年コンパクト版” をダウンロード 類似商品役務審査基準_11-2022_コンパクト版.xlsx – 41 回のダウンロード – 2 MB

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