8月の前線に伴う大雨により影響を受けた人の手続き期限の救済
このたびの8月の前線に伴う大雨により被害にあった皆様に心よりお見舞いを申し上げます。また、皆様の安全と一刻も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
大雨や地震などの大規模な自然災害が発生した場合、自然災害の影響を受けた企業や個人は、特許庁に対する手続き期限の救済措置を受けることができます。
先月の大雨においても救済措置を受けることができます。
対象となる手続き
指定期間
「指定期間」とは、特許法、意匠法、商標法などの法律の中で、「相当の期間を指定」することとされている期間のことです。
典型的には、拒絶理由通知などに対して応答をする期間です。
8月の大雨により、指定期間を徒過してしまった場合でも、可能な限り速やかに手続きをし、審査官等に期限を徒過してしまった事情(被災した事情など)を説明することで、期限が経過していても、有効な手続きとして認められます。
法定期間
「法定期間」とは、法律上定められている期間です。
例えば、商標の登録料は、登録査定謄本の送達があつた日から30日以内に納付しなければなりません(商標法第41条第1項)。
そして、この期間は同条第4項により、救済措置が定められています。
登録料を納付すべき者がその責めに帰することができない理由により、前項の規定により登録料を納付することができる期間内にその登録料を納付することができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から14日以内でその期間の経過後6月以内にその登録料を納付することができる。
商標法第41条第4項
このように法定期間については、その救済される期間も法定されています。
特許庁への手続きが可能となった後、所定の期間内に事情を説明して手続きをすることが必要です。
手続毎に救済される期間が異なるのでその点は注意が必要です。
期間延長請求が可能な場合も
指定期間や法定期間の内容によっては「責めに帰することができない理由」がなくても、期間延長の請求をすることで期間の延長が認められるものもあります。
確実に手続きができる方法を選択して手続きするのが無難だと思いますので、期間延長請求の可否も確認してから手続きするのがよいでしょう。
まずは弁理士に相談
8月の前線に伴う大雨に遭われた方で、何らかの手続きを特許庁にしなければならない人は、まずは期限内の手続きが可能か確認し、できない場合には延長請求や期間の救済措置が受けられるか確認することをお勧めします。
不明な場合は、弁理士に相談するのが良いでしょう。
もし、お付き合いのある弁理士がいない場合には、まずは地域の「知財総合支援窓口」に相談することも可能です。
特許庁が発表している期限の救済についての発表は、以下のリンクをご覧ください。
特許庁ウェブサイト「令和元年8月の前線に伴う大雨により影響を受けた手続の取り扱いについて」